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高貴な器で楽しむ一献は、酒席を豊かに彩ります。
また、青磁はガラス質の釉薬なので、汚れや匂いがつきにくく、実用面でも扱いやすい焼き物です。
それゆえ、ぐい呑みさかずきとしてはもちろん、酒の肴を盛る小鉢としても楽しめます。
サイズ / W:8.5 H:4 D:8.5 (cm)
受注生産になるため3カ月ほどお時間をいただきます。生産完了後、1~3営業日での出荷となります。
中国発祥の青磁は、翡翠(ひすい)の色を模したと言われており、形は宗教的な儀式に使われた青銅器に似せてつくったものでした。
それゆえ、中国の歴代皇帝に愛されてきた特別な器であり、最も高貴な器とされました。
青磁は作陶がとても難しく、窯の中の酸素量を限りなく少なくすることで生まれる青色の発色具合の調整など、陶芸家の技量が試されます。
青磁の青はさまざまある青色の中でも、雨がやみ、空が晴れ渡り明るく青々となる「雨過天晴」色を表現しています。中国では窯ごとにその青さが違うのも面白い特徴です。
日本では、その難しさから青磁を制作している窯は少なく、鳳凰窯こだわりの焼き物の一つです。
秋田県大館市で「おおだて陶芸工房 鳳凰窯」を営む陶芸家、杉渕 紀昭さん。
高校卒業後に映画監督を志し、映画専門学校へ入学。そこで映画作りを学びましたが、卒業後はものづくりの道へ興味を抱き、出会ったのが「陶芸」でした。
陶芸への興味関心は日に日に増し、21歳の時、紀州徳川家御用窯だった「瑞芝焼(ずいしやき)」の窯元 五代目 阪上瑞雲 氏 に知人を介して繋がり、師事することになりました。
弟子入りしてから4年あまりを和歌山県で過ごし、25歳まで「青磁」づくりの基礎を学びます。
その後、秋田に帰郷。帰郷後は会社勤めをしましたが、その傍ら、休日を利用して地域の公共施設の窯を借りては作陶を続けました。
そういった生活を続けるうち、「青磁づくりを極めたい」との思いが年々募っていきました。
陶芸への情熱は冷めることなく、会社員として忙しい日々を過ごしながらも、時間の許す限り作陶に打ち込みます。
そしてついに杉渕さん58歳の時、「陶芸に専念して腕を磨きたい」と強く決意し、32年務めた会社を退職。2014年、秋田県大館市に自身の窯「おおだて陶芸工房 鳳凰窯」を開きました。
念願叶った杉渕さんは日々創作活動に没頭し、今もなお 飽くなき探究心で技術を磨き続けています。
鳳凰窯の作品は、透明感のある青緑色を基調とする「青磁」がメイン。
中国・北宋時代の窯元「汝窯(じょよう)」で、雨上がりの空の色を理想として追い求めたその“色”を追究しています。
「青磁」を制作する窯元は秋田県内でも数少なく、青磁をはじめ、土や釉薬、焼き具合で色や質感の違いに特徴を見出した作品を制作している鳳凰窯は貴重な存在です。
器に限らず、陶器の時計やお香立てなど、さまざまな焼き物にチャレンジしながら自身の技術を研鑽し、そうやってつくられた作品を展示する「作陶展」を定期的に地元で開催するなど、陶芸家として青磁づくりを極める道を杉渕さんは一歩一歩着実に歩んでいます。
そして、陶芸教室や陶芸体験教室を開き、地域の皆さんや地元秋田の小学生たちに焼き物の素晴らしさ、楽しさを伝える活動も精力的に行なっています。
自分のため、ファンのため、地域のため、陶芸と向き合い、充実した日々を過ごす杉渕さん。
なんとも愛らしく、優しくほほ笑む杉渕さんの顔は、その充実ぶりを物語っていました。